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電車内で<あの人>に出会ってしまった時は、どうすればいいの?

これからどうしよう?
たまに遭遇する電車内でのヘッドホンの音漏れ「シャカシャカ」は、気になります。
 
どんな曲聴いてんだろ?趣味一緒かな?
じゃなくって!神経に障るという意味で。
でも気が弱いものですから、一応心のなかで「キミやめたまえ!」と叫びますが、行動と結びつけたことはありません。
 
 
何年か前の出来事です。
ホームにやってきた地下鉄に乗りこむと、どこからかビートルズの「HELP」が聴こえてきました。ヘッドホン音漏れなんていう生易しいレベルじゃなく、スピーカーからの音です。
出どころは?と見ると、座席に座る青年が掲げるラジカセからでした。
しかも青年は、曲に合わせて歌っている。
もちろんこれはフラッシュモブ的サプライズではありません。青年は誰にもプロポーズしていません。
 
 
乗客はさぞかししかめっ面、
かと思ったら、おや?そうでもない。
 
空気が変です。誰もが彼の存在をいないものと受け止めているような雰囲気さえ感じます。
 
その青年が強面だから?注意すると逆ギレの危険がありそうだから?
いいえ、むしろ逆です。見たからにか弱く細身の青年です。
 
 
その様子を見て、すぐにその訳がわかりました。
青年はおそらく、知的な部分で障がいがあるようです。
 
正直に言います。その時の気持ちを。
ああ、厄介な現場に居合わせちゃったな、でした。
 
 
 
行為だけを見ると、公共の場ではけっして許されるものではありません。乗り合わせた多くの人が迷惑を被っています。ヘッドホン音漏れなんてレベルを超えてます。
でも、車内の誰も、見て見ぬふり、いえ、その存在自体いないかのように振る舞っています。悲しいかな自分も含めて。
 
なんか複雑です。行為だけをとらえればあきらかに迷惑で非常識なのに、自分も含めて誰もそれに対してなにもいえない。
そこによぎるのは、配慮?同情?憐憫?情け?
 
この時勇気を出して注意したら、注意した人は、よくぞ言ってくれたと喝采を浴びるのでしょうか。どうだろう。
注意したとしても、いわゆる常識的な説得が通じるのだろうか、説いて理解してもらえるだろうか。おそらくコトバはすれ違うだろうと、見て見ぬふりを選ばざるを得なく、その存在自体を消し去ります。
 
行為自体は許しがたいが、人に対しては寛容になってしまう。そんな感じでしょうか。
 
 
 
古い話ですが、
ロンドンオリンピックで活躍した義足のランナー・ピストリウスが恋人を射殺した事件が起きました。
オリンピックのとき、みごとな走りを見せて、多くの感動を呼びました。
その感動の裏には、障がいがあるのに、という思いが正直あります。
 
ピストリウスには、計画的殺人だとかステロイド使用による精神錯乱状態だったとか銃を持つと発泡したくなる衝動にかられるトリガーハッピー症状だったとか、いろいろ言われました。
最終的に裁判の結果がどうなったか知りませんが、
当時気になったメモがいくつかEvernoteに残っていたので、引用します。
 
まずは、NHKEテレ「障害者バラエティバリバラ」によく出ているカンニング竹山
義足のアスリートが恋人を殺した!ではなく、義足なんかどうでもいいんです、アスリートが恋人を殺した。問題はそこ、義足の障害者は関係なし!だって頭の中はみんな一緒ですから。と僕は理解しています。と言うか事件でも事故でも悲しい出来事、人を殺すなよ!バカが!が感想。
 
 
五体不満足の、乙武洋匡のブログから
彼らは清らかな存在で、けっして悪いことなど考えるはずがない――『五体不満足』出版以来、僕もこうしたステレオタイプな障害者観に苦しみ、窮屈な思いをしてきた。(中略)障害者にだって、飲んべえや、エロや、ろくでなしもいる。肉体というものは、言ってみれば“容器”なのだ。その中にどんな中身が詰まっているかなんて、開けてみなければわからない。その容器だけを見て、蔑んだり、期待したり――それがいかにバカバカしいことか、僕らはそろそろ気づくべきだ。
 
 
殺人と電車内での騒音を同列に扱うべきかどうかもわからないけれど、
あの時地下鉄車内に乗りあわせた人たちは、自分も含めてですが、やっぱり「容器」の方を優先しちゃうんです。
 
 
厄介な現場に居合わせちゃったな
彼はどこで降りんだろう。
どのタイミングで車両を移動しようか。
次の駅で降りるふりして車両を変わろう。
自分の降りる駅に早く到着しないかな。
 
 
こういうのって正しい答えはどこにあるんだろう。
そもそも答えなんかあるんだろうか。
 
「容器」じゃなくて「中味」だろうと言われて、そうそうとわかったふりも簡単にはできない。いや、分かったフリはできるけど、それを行動に結び付けられない。
だって、だって。
正直、実際にはその場をなんとか早くぬけ出すしかできないんだから。
 

 

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