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「こんな大野智はイヤだ」なんて言われても大野智で生まれちゃったから

これからどうしよう?
ここ数年すっかり当たり前になって驚きもしませんが、名古屋の中心部にあるコンビニで店員さんの名札を見ると、それはそれはインターナショナルです。
東アジア、東南アジアから最近では、顔と名前から推測するに南アジアの方々が増えてきましたね。
 
頻繁に入れ替わる商品を覚え、複雑な業務をテキパキとこなす彼らは、さぞかしエリートなんだろうと思います。
 
 
ウチ(小牧)の近所にセブンイレブンがあります。小さな川に沿った道を2分ほど歩いたところにあり、散歩がてらよく足を運びます。
 
このセブンイレブンで働いているのはみなさん日本人のようです。土日や夕方は多分学生のアルバイト、平日の朝はおばちゃんたちが頑張っています。
特におばちゃんたちはいつも陽気で元気よく、といっても世間話をするほどフレンドリーにはならず、本部からのお達しなのか、コンビニらしく!割り切って接客してくれています。
 
 
先日、払い忘れていた国民健康保険の振り込みをしに、そのセブンイレブンに行きました。
振込用紙をカウンターに置き、お金を用意していると、店員のおばちゃんのひとりが「あら」と小さく叫びました。
 
大野智さん」
 
名前を呼ばれました。
 
 
顔を見るといつものおばちゃんです。知り合いじゃないよな、知り合いじゃないいつものおばちゃんだよな。その、知り合いじゃないいつものおばちゃんが振込用紙にバーコードリーダーを当てながら名前を呼ぶのですよ。見ると、小さく微笑みじっと私を見ています。
コンビニの店員さんと目と目を合わせあうなんてめったにないことだからちょっとドギマギも感じたりして。
おばちゃんは多分普段よりも目を少しだけ大きくして、言いました。
 
 
 
「私、嵐の大野智くんのファンなんです」
 
 
 
あら、来ましたか。
そうです。私の名前は大野智です。苗字も名前も漢字も、あの大野智と全く一緒なんです。
大野智という名前に対するリアクションには慣れています。
 
仕事で名刺を渡す時、銀行や病院の待合で名前を呼ばれる時、何かの申し込みの電話で一言ずつ名前を区切って伝える時、視線や空気が漏れるような笑い声で、あ、いま一瞬「嵐」を思い浮かべたでしょ、という変化を感じ取れることがあります。
 
それは、歌って踊れないもう一人の大野智の宿命ですから、「すみません、こんな大野智で」とか「サインしましょうか」とか、最近では気功のように軽くいなす技も身につけてはいます。
 
 
今、コンビニで、おばちゃんに気づかれました。
思えば、おばちゃんでよかったと思います。
若いアルバイトの女子高生だったら、その場では表情に出さず、私が帰った後にバイト仲間に集合をかけ「いまのおじさん、大野智だって」「マジ〜」「許せーん」とかとなったことでしょう。さらにLINEでのグループにふざけたスタンプ付きで一斉にメッセージを送信することでしょう。
 
いや待てよ、すでにそれは起きていて、バイト仲間で「今日、嵐モドキが来たよ」とつぶやきのネタにされていたりして。
 
 
ああ、おばちゃんでよかった。遠慮することなく声をかけてくれて良かった。
これでもう、来月の振込のとき「大野智が市民税払いに来たよ」と笑って言えます。
 
 
何度も通っているのにもかかわらず、誰もコンビニに触れ合いや温もりを求めません。期待もしていません。望まない馴れ馴れしさは面倒なだけです。黙って商品をカウンターに置いてピッとやってもらえれば、それでOKです。
そんな誰もが決めつけている場所だから、妙に印象に残りました。
 
 
その日のコンビニからの帰り道、横を流れる川面を見ると、小さなカモが3,4羽のんびりと浮かんでいました。
ああ、なんだか今日は、いい気分。セブンイレブンいい気分。

 

大野智作品集 FREESTYLE II

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Freestyle

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