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鳳来寺にて山頭火気分でつぶやいてみる

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その石段は、1425段あるといいます。
 
「登るべきか否か」
 
 
まだ陽が昇りきらぬ朝7時登り口で迷う私の横を、リュックを背負った若者らがすりぬけ、軽やかに山の奥へと消えていきました。

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石段を覆い尽くす鬱蒼とした樹々は、自堕落で不摂生な人間は来るな、と言わんばかりに威圧的です。
 
 
そうだよな。無理だよな。無理しちゃいかんよな。
 
 
 
 
ここ鳳来寺は奥三河新城市にあります。
小学校の遠足で来たような来ていないような、そんな曖昧な記憶しかありません。
 
 
鳳来寺本堂に至る1425段を諦めた第一歩は、鳳来寺パークウエイ駐車場からはじまりました。東照宮、本堂へと続く山沿いの道は、自堕落と不摂生にもやさしい緩やかさ。
 
 
訪れたのは11月の初めだったので、紅葉にはまだ早く、でも少し気の早いカエデが、ゆらり色を揺らしていました。

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ン千万年前の火山活動によって生まれた岩肌の威容は、写真ですとフレームで切り取られ、どうしても迫力が弱まってしまいます。
ぜひライブでお楽しみください。
 

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駐車場から歩いて10分、鳳来寺本堂に到着しました。

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その正面に広がる山の中腹にそれはありました。
自然物なのか人工物なのかは知りませんが、ほら、ご覧ください。
 
 

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木々が切り取られて残ったその形は、そう、なんとなく♡ハートに見えるではないですか。

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恋人たちがこのハートに向かい愛を囁きあうと……
 
なぁんて伝説は聞いたことありません。でも構いません。聞いたことなければ作っちゃえ、です。
 
 
 
 
というのも、新城市の地図をぼんやり眺めていたら、その形もなんとなく♡ハートに見えてきたもので。

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点が3つあると、人の顔に見える現象を「シミュラクラ現象」といいます。
 
 
 
 
だったら、円形の一部が凹んでいる図形がハートに見える現象を「シンシロ現象」と名づけてしまいましょう。
意味のある偶然・シンクロニシティのようで、いかにも説得力ありそうに響いてくるから不思議です。
 
 
 
 
新城市市長殿
これより新城市を<ハートシティ新城>と名付け、来年から新城ラリーのコースをハート型にすることを提言いたします。
 
 
 
 
 
三河大作戦の宿泊先は、そのハートシティ新城・鳳来寺山麓にある「雲竜荘」という旅館でした。

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本館は、昭和25年(1950)に近隣から移築された建物だそうで、ロビーには山下清奥田瑛二などの色紙が飾られていました。

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なかに
<分け入つても分け入つても青い山>で知られる種田山頭火がありました。(山頭火は昭和15年に亡くなってるから直筆じゃないんだろうな)
 

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山頭火の自由律俳句は、こんでいいの?と呆れてしまうほど自由なつぶやき。まるでTwitter
例えばこんなのとか。
 
 
<どうしようもない私が歩いている>
<まつすぐな道でさみしい>
<お天気がよすぎる独りぼっち>
<水飲んで尿して去る>
<殺した虫をしみじみ見てゐる>
 
 
 
<水飲んで尿して去る>なんて「朝起きて学校へ行く」とどう違うんだ!
 
種田山頭火も尾崎放哉も、恐ろしいほどシンプルなつぶやきなのに、なぜだか染み入ってしまうのは、背後にある生き方をも想像させてくれるからなんでしょうかね。
Twitter山頭火と尾崎放哉のbotをフォローしてます。ランダムに届く句がたまらない)
 
 
 
鳳来寺には他にも多くの詠み人が訪れているようです。鳳来寺にはどこか自分を見つめ直す作用なんてのもあるのでしょうか。

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だからなのか、道沿いには投句箱も置かれていました。

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気取らず自由に思ったままに、時にはTwitterじゃなくこの箱に向かってつぶやいてみるのもいいのでは。
ということで。
 
 
露天は寒い 風呂は熱い
 
1425 1段飛ばしでも712
 
1425 偉いのは登る人より作った人
 
 
 
お粗末。まだまだ修行が足りません。
 
石段登ってこーい!

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『種田山頭火全集・68作品⇒1冊』

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尾崎放哉全句集 (ちくま文庫)

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