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「お元気で」と去っていく人がいた巨大画材店〜ドキュメント72時間

「さようなら」「失礼します」「ほんじゃ」「また」「バイ」「ありがとうございました」
相手との関係にもよりますが、人との別れの挨拶といえばこんな感じかな。
 
知ってはいるけれど、めったに耳にすることも口にすることもない挨拶にこんなのがあります。
 
「お元気で」
 
この挨拶は、自分のボキャブラリーには入っていなく、こういう言葉で去っていく人にもなかなか出会えません。
 
 
好きな番組のひとつ、「ドキュメント72時間」(NHKEテレ)の<巨大画材店>の回で、インタビュー終わりに「お元気で」と去っていく女性が登場していました。
 
年齢は60代半ばでしょうか。彼女は自分の油絵を飾るための額縁を選んでいました。値段を尋ねると、十数万円とかもするらしく、ここまで高価な額縁を購入するのははじめてだそうです。
「人生短いと思ったから」「もう好きなように生きるって決めたから」と。
 
 
いままで好きなように生きてこなかったのですか?とディレクターが尋ねると、
 
 
 
洋服はすべて主人が選んできた。自分の好みを買ってきてくれる。口では嬉しいとかいって実は我慢して着ていた。それを、ごめんなさいと言って最近全部捨てた。私は自分の着たい洋服を着ていく。それを言うのも30年かかった。
 
 
 
その彼女がカメラの前を去るとき口にしたのが、「お元気で」
 
 
 
番組は、30年間の我慢、これからの決意、旦那さんとの関係などについてそれ以上一切踏み込まない(撮影では踏み込んでいるかもしれないけれど、放送では言及しない)
こういう人も、こういう人生もあります、と提示するだけ。
 
 
長い会話のなかのひとつひとつと違って、挨拶の言葉に偽りはない。ふと出る言葉に体裁や世間体や関係性の踏み入る隙間はない。
「お元気で」と自然に別れを口ずさめるあの人の人生を想像するのは深い。
 
 
さて、今年もテレビはNHKが9割を占めていました。
本日29日夜「朝まで!ドキュメント72時間2016」があります。
今年の私的トップ10は、
 
浅草花やしきジェットコースター」
「オーダーメイドハンコ屋」
北アルプス 天空のテント村」
「四国松山 海が見える無人駅」
「巨大画材店」
「長崎のお盆 花火屋」
秋葉原 秘密の工場」
昭和歌謡レコード店」
「東京タワーで見る初夢」
 
となっております。どうでしょうか。
 
では、皆様「お元気で」