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川端康成様、あなたはいくつ花の名前を知っているのですか?

【別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。】

川端康成『掌の小説・化粧の天使達・花』より)

 

白髪のオールバックの神経質そうなおじいさん、というビジュアルしか浮かびませんが、若い頃の川端康成はどこかダルビッシュに似ているイケメンで、いくつもの修羅場の果てからこんな名文が生まれたんだろうな、というのがうなづけます。さぞかし、花の名前をたくさん教えられたのでは、と。

 

 

かくいう自分は、恋愛経験が乏しいからなのか、花の名前をぜんぜん知りません。

いや、ある程度花の名前は知ってはいますが、名前から実体が浮かばない(実体から名前も浮かばない)

名前と実体が一致しているのは、チューリップ、バラ、サクラ、ひまわり、カーネーションにキクぐらいです。

 

あ、もうひとつありました。ユリです。我が家の玄関に生けられていた添付写真のユリです。

 

心の岸辺に咲いているはずの赤いスイートピーも、その姿形は謎のままです。

 

 

 

過ぎ去った記憶はある時あることをきっかけにふいに蘇ってきます。

背中の爪痕は自分では見返すことはできませんが、花は時限爆弾のように一年に一回スイッチが押されるから残酷です。

 

路傍の花にふと足を止めてしまった時、どこかできっとほくそ笑んでいるであろう花の名の教え人を、恨んではいけません。

小悪魔な企みに簡単に引っかかってしまった我の愚かさを笑えば、円満に時は過ぎさっていってくれます。

 

(写真の花と、文中の花は一致していません。あしからず)

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別名彼岸花曼珠沙華花言葉は、情熱・再会・悲しい思い出・思うはあなた一人、とのこと。球根には、毒もあるそうで、恐るべし川端康成

 

 

掌の小説 (新潮文庫)

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バラバラの名前 (新潮文庫)

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