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「ラ・ラ・ランド」6部門受賞の今こそ見るべきミュージカル

不覚でした。おそらくこんな内容なんだろうなと知った気になっていて、だから、今さらいいや、と遠ざかっていました。
細切れに触れてきた記憶から勝手な想像が創り上げられていて、なぜだかその映画は、いつかどこかで観た映画リストの隅っこで冬眠状態となっていました。
 
そしていま春が来て、目覚めたのです。
 
「ラ・ラ・ランド」アカデミー賞6部門受賞の今、告白します。はじめて観ました。
 
 
え〜観てなかったの〜ダメでしょ。はい、皆まで言うな、わかっています。観ていませんでした。だからいま猛省しているのです。
 
 
 
今まで、生涯の映画トップ3は「冒険者たち」「ローマの休日」「ペーパームーン」でしたが、ここへ来て「サウンド・オブ・ミュージック」が浮上です。
 
 
なんとまあ、大傑作ではないですか。この素晴らしき作品にン十年も触れずに過ごしてきたことは、小学生の時ピアノ教室を一週間で辞めてしまったことと並ぶ、後悔です。
曲だけはよく知っている<主題歌><ドレミの歌><エーデルワイス>他にも名曲がいっぱい。
<ドレミの歌>のシーンなんか、その躍動になぜか涙ぐんだりもして。
 
そしてそして、「ああ、いい音楽だな」と思っていたJR東海のCM「そうだ 京都行こう」の曲が、この映画の<私のお気に入り>という曲だったなんて、知らなかった、知ってよかった、誰か教えておいてくれよ、です。
 
 
なによりもこの映画、ただ楽しいだけのミュージカルじゃないってことに驚きです。
ナチスの足音が忍び寄ってくる時代のオーストリアが舞台で、歌い踊る日常を脅かす不気味さへの抵抗を背景としていたなんて。オーマイガッ。
 
 
この世界の片隅に」が、戦時中にもかかわらず、何でもない日常を繰り返すことの大切さを描いていたように、「サウンド・オブ・ミュージック」も、歌うことを通じて得られる日常の輝きを、押し付けがましくなく描いています。
 
 
知ってるつもりで知らなかったことの数を少しでも減らそうと心がけていても、毎日押し寄せてくる新しい情報の処理に時間を取られ、どうしても後回しになってしまいます。そのうちに、<知ってるつもりで知らなかったこと>は、厚みを増してもう掘りおこせないほど凝り固まっていってしまうのです。
 
 
そうならないうちに、「今」と「過去」をときおり行ったり来たりしながら、「今さら」と遠ざかっていた数々のなかから、宝物を掘りおこしてみようかななんて、ぼんやり、思っています。